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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第089号       ’01−04−27★

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     第4象限の人

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●ポアッソン分布

 

というものだそうで、何ごともコンスタントに発生するわけじゃない。

ドカドカ来たり、パッタリ来なくなったり。  長いスパンでの確率

は低くとも、局部的にはオイ、またか?!の集中、、、

 

それは、私が受ける相談ごとでも同じです。 相談が来て初めて役に

立てる、いわば営業活動無しの受注生産。 こちらの努力で<量>的

平準化が図れる、てことはあり得ない。

 

なら、<質>的にはどうか。 千変万化、なんて楽しみはありません。

ポアッソン分布は内容にも及び、相談者は変われどその中身は似たり、

の時季がある。  連日、同じようなことを書き綴るので、いささか

既視感に悩まされます。

 

さらに気付くと、その原理は<相談者のタイプ>にも通じております。

ネット越しの作業ですから、お目にかかる機会はありませんが、交信

を重ねるうち、おおまかには見当がついてくる。  おや、またこの

タイプがいらっしゃいましたぞ、、 

 

というわけで、似た感じの人々からの、似たような質問に、たいして

変わり映えしない答えを繰り返す、、、 何か堂々巡り、、 の気分。

 

いっそFAQコーナーを設け、、、 とまで考えたこともありました

が、それぞれの相談者に固有の状況が伴い、ひと括りには出来ないし、

また、すべきものでもない。  うーむ、、、

 

 

最近の<やや明らかな共通点>は、若い人の場合、その現状が希望や

期待に反しているという悩み。 それが第86号で<希望>の抱き方

に言及した動機でもありました。  そして予測通り、

 

「希望を抱かぬ人生などあるものか」、「貧しい考え方だ」の批判が

寄せられて来る。  よく読んで頂きたい、希望を抱くのはご自由で、

ただ<当て所なく>ではまずいと申しているわけで、と返信しながら

一人つぶやきます。  これも<そのタイプ>の人たちなんだよなあ。

 

じゃ、それはどんなタイプ? となると、例によって故F先生方式に

基づく独断的見解ですが、<第4象限>タイプ、、 ですな。

 

即ち、情動性(感情で動く性質)はx軸プラス傾向、欲動性(意欲で

動く性質)はy軸マイナス傾向の人たち、、 と私には思える人たち。

 

感度良好だが、その割に行動が少ない。 発散不十分で残る、溜まる。

その結果、相対的に<感じすぎ>状態になってしまうため、緊張感は

さらに高まる。  で、ますます感じやすくなる、、  

 

QCの< plan → do → see >に限らず、誰にでもオートマチックな

行動の循環はありますが、第4象限の人は、その循環が主にアタマの

中で繰り返されることになります。  つまり、

 

<想い多くして行ない少なし>の人。 カラダを動かせばストレスも

解放されるし、考えるヒマもなくなれば取り込む量も減って良いのに、

困ったことにこのタイプはその反対。  しかも

 

何故か知的レベルの高い人が最も多く見られる、と故F先生は言われ

ました。 ということは、最も<相談者>になりやすい体質、かな?

 

一般的には細長の体型で、態度が控えめですから、まず威圧感は無い。

が、芯の強さは故F先生の4大別中ナンバー・ワン。 その<第4>

はさらに4傾向に分類されるが、主人公はその中の<第3傾向>。

 

*   *

 

何であれ<行動>すればたちまち、人間関係や物理的な制約、色々な

要素がからんで来ますし、当然、時間やエネルギーの消費が伴います。

前頭葉がそれらを総合的に評価し、<想い>にフィードバックします。

 

従って循環の二巡目、遅くとも三巡目には誰でも<想い>を修正する

ことになりますが、<行動型>の人はそれが速い。 たちまち変わる、

いや「コロコロ変わる」にもなりうる。  一方、

 

その反対、比較的に行動の少ない人は、修正する必要を感じることに

なる機会も少ないわけで、その結果、自発的積極的には変わらない人、

たとえ迫っても変わりたがらない人、になる。 後述の生理的理由も

加わって、むしろ<変わり得ない人>と言う方が当たるようです。

 

普段はおとなしいのに、いざとなると頑固や意地っ張りのように見え、

そのため、そう予期していなかった相手にショックを与え、苛立ちを

感じさせてしまう。  もちろんご本人は無意識、、

 

*   *   *

 

ところで<想い>はアタマの中の働き、誰とも関わりなく、何の制約

も無い。 サイクルも一瞬の間。  容易に循環を重ね、<想い>は

高度化しつつ確固たるものになって行きます。 <理想>や<信念>

は、そのようにして出来上がるのでしょう。  それらは、

 

もちろん<現実の自分>とは一致しません。 即ち、かけ離れた願望。

それを<希望>と呼ぶ人もいるわけですが、 Rational Process 的に

定義すれば、かけ離れは即ち<問題>。  そして<問題>とは普通、

具合悪いこと、即ち<災い>。  だから86号、、、

 

**********

 

 

 

●ネットの相談者に

 

こう長々とは説明しませんが、<第4>タイプと見える方には、少し

<感じる>や<考える>のを控えましょう、それよりも行動すること

に努めてはいかが? と申し上げてはおります。 ストレスの産出を

抑え、<消費>を促進してバランスを取りましょうよ、と。

 

そう言えばそうするか? いや、そうならない。 何しろこのタイプ、

血の気が足りない人が多い。 細胞の一粒一粒が、元気の不足を自覚

している、という説があります。 エネルギーを無駄遣いすまい、と

細胞自体が決心している、、 と。

 

つまり、行動的でないのは<体質>のせい。 エネルギーの用い方に

慎重で、無意識のうちに選択的な行動ぶりになる、、 らしい。

 

そんな相談者たちですから、行動しましょうよ、と誘っても容易には

乗って来ない。  多くは「よく<考え>てみます」、「そうしよう

と<思い>ます」で、「そう<し>ます」とはまず答えませんな。

 

思索的だが行動的ではない。 もちろん絶対<しない>わけでもない

が、テキパキと<する>わけではない。 多少グズに見えることも、、

 

しかし、まあ、それがその人なのだし、私はちゃんと答えたのだから、、

で、一旦放念し、蔭ながらご幸運をお祈りするのみ。

 

 

主観的にはご謙遜のつもり、と思われるが、「いえ、私ごときは、、」

と引き下がる姿勢も<第4>の特徴。 欲動性が高ければ「オレが、

オレが、、」になる場面でそれだから、まあ消極的。  あいにく

 

目立ちたがり屋横行の現代、情動性、欲動性ともにプラスの第1象限

へ原点が移動してしまっているそうで、その位置から見ると<第4>

は霞んでしまい、よく見えない人、にもなります。

 

困るのは、人一倍高感度なのに、自分がどう見えているかについては

全くニブイこと。  例によって、人間誰しも自分がモノサシ、、

 

 「この真面目さが通じないはずは無い、なんて思ってるようだけど、

  キミ、そりゃ甘いんだ。 分かるように仕向けなきゃ、分かって

  なんかもらえないぜ。 キミには苦痛なくらい努力して、それで

  どうにかフツー並みだろうな。 そのくらい違うもんなのさ、、」

 

と申し上げるのだが、第4さん、分かるかなあ?  ワカラナイかも、、

 

*   *

 

現実から隔たった考えを変わること無く抱き続ける人をロマンチスト

と呼ぶが、<第4>はまさにそれ。  さて、どう生きるべきか?

 

まあ、<第4>に限ったことではありませんが、あるがままに特性を

生かすほか、道は無いでしょう。 背伸びしたり偽ったりではツライ

し、従って長続きしない。  続かなければ成果は生じない。

 

<第4>は偽る努力においても消極的、いわば特性のまま生きている

のだから、長続きの点はOK。  ただ、生かせるかどうかは別問題。

 

売り込まないから、取り上げられにくい。  取り上げられなければ、

特性が生きるはずの場面を授けてはもらえないわけ。  だから、

 

まず自分を活用してくれる人を探し求めるべきでしょうな。 組織の

一員としてなら、深く考え良きアイデアを産み出すことに努め、それ

を<行動>タイプに提供する、即ちスタッフの役どころがベストです。

 

個人で、なら、アイデアを産むこと自体が<行動>になるような種類

の仕事、たとえばコンサルタントでしょうか。  研究開発もアウト

ソースされる時代ですから、専門技術の一匹狼、というのも宜しい。

 

どうせ人間、一人では効果が発揮できない。 手を組む相手を的確に

見定める必要はお互い様です。 まず己を知り、次に相手を知り、、、

 

**********

 

 

 

●<第4象限>タイプの例

 

を有名人から、と言うなら、まず松下幸之助。  大組織のオーナー

経営者だから目立たないわけには行かなかったが、何か隠遁者という

か、どちらかと言えば内向きの、静かなリーダーシップでした。

 

あくまでも姿勢は低く、しかし滅法高い理想を掲げ、強い信念でこと

に当たり、たゆまず工夫を重ね、運を大切にし、カンを働かせ、粘り

抜きました。  まさに<第4象限>のチャンピオン。  ただ、

 

サーモスタット屋として松下関連で商売させて頂いた頃には、すでに

雲の上。  漏れ聞いた<経営の神様>は、私にはいささかコワイ人。

 

事業部のトップが名指しで真々庵(でしたかな)へ招かれ、庭を見ろ、

と言われる。 「手入れをさせた。 良い眺めであろう? あの辺は

ちょっと間引かせ、スッキリした」てなことをおっしゃるんだそうで。

 

それが「お前の部門、人が多すぎる。 整理せよ」のお示し、と理解

できなきゃペケ、言葉通り庭木の話だと思って答えた人は即整理対象

に、、  この話がホントなら、まあ、命掛けの謎々ごっこ。

 

<第4>には、そんなヒネリが伴うことが少なくない。  幹部社員

は結構ドキドキしてました。  しかし一般向けに考えを述べた本は

きわめて平易で念入り。 「人見て法説け」そのまま、の実践でした。

 

 

ユニークな視点での著書多数を通じ、よく<分からせて>くれた点で

同様の山本七平も、<第4>でした。  ただ、松下さんとは対照的、

 

小規模経営の極致、一人商売。  売れる見込みと関係なく、信念に

基づいて出版する。  平然、淡々、敢えて我が道を行ってしまう、、

 

とは言うが、<山本七平>が轟いたキッカケの「日本人とユダヤ人」

はずいぶん売れたに違いない。  著者イザヤ・ベンダサンなる人物

が実在か架空か、それだけでも話題でした。 あの謎めいたところが

まさに<第4>だよなあ、、  それにしても、

 

秘めた情熱、芯の強さ、凝り性のロマンチスト、、 F先生の解説書

の記述通りの生き方でした。  私の密かなるコンサルタント、、、

 

*   *

 

知恵を授けてくれた人、と言うなら、最後まで憂国の硬骨論に徹した

会田雄次教授を挙げなくてはなるまい。  それまで実技書オンリー

だった私が「アーロン収容所」で目覚め、<文系>に転換したくらい。

 

比較文明論か、国際人間学か、当時私が求めていた視点をすべて網羅

して説得的。  いつか、、 と願っていたら、ある時、

 

お馴染みのテーマで講演されると聞いて、勇躍参加。 そこで初めて

拝観したご本尊は、、 何とも不健康な外観で、、 スーツはグレー、

顔は土気色。 大学でもあのようになさるのか、演台に隠れんばかり。

 

ペションと椅子に掛け、メモに目を落としたまま、<語る>のでなく

<読む>感じ。  約1時間、一度も胸を張ることなく、ボソボソと。 

 

その内容は著書の論調と変わりなく、「日本人よ、シッカリしよう」。

<実物>に接したのが収穫、だけの印象でした。 で、お話が終わり、

司会者が型通りに「どなたかご質問は?」

 

見回したが、誰も手を挙げない。  こりゃ講師に失礼だぜ、、 と

思ったらオートマチック、手が挙がってしまった。  ハイ、どうぞ。

ハラを決め、立ち上がりながら急遽、質問をひねり出しました。

 

「今のお話、日本はダメになる、というお考えのように承りましたが、

その理解で宜しいでしょうか?」   いや、何ともお恥ずかしい。

 

すると教授、無表情に「はい、その通りです」。  ニベもない、、

「エー、何とかすることは出来ないものでしょうか?」 

 

「出来ませんな」。 取り付く島、なし。 質問をどう終わらせたか、

実のところ明確な記憶がありません。 が、教授はもう<見限って>

しまっておられましたな、未だ昭和40年代前半の日本でしたが。

 

いくらでも指摘はします、思い付く限りアドバイスもします。 だが、

どうするかはあなた方次第、、 祖国の没落を、万感込めて見送る、、

ジタバタ騒がないところに、かえってキビシイ男っぽさを感じました。

 

*   *   *

 

ルバング島で発見されるまで、一人で30年戦争をやった小野田寛郎

元少尉も見るからに<第4>。   戦闘中止の命令が無い、、 で

頑張り続けたのは一種<意固地>だし、ワカラナイと言う人もいたが、

そこが<第4>らしさ、謎めいたところ。

 

マッチョではないが芯はやたら強く、そのあと南米で牧場を営んだり、

<小野田自然塾>で少年たちにアウトドア・サバイバルを教えたり、、

まあ、ロマンチックというか、ユニークというか、、

 

**********

 

 

 

●故F先生にある時、

 

田中角栄のタイプを解説して頂いたところ、あの華々しさは顕示性、

あのリーダーシップは虚勢、とバッサリ。 そして、真のリーダー

シップは<第4>にこそあると思っている、と付け加えられました。

 

え? 地味で分かりにくい<第4>に?、、 とは思ったが、実は

私も相棒も<第4>。 だからだろうねえ、我が社の良さが分かる

取引先は少なかったが、静かなる Give and Take 。 その成果は

お互い様、まことに着実なものでありました。

 

 

<第4>リーダーとして、私は自分を分からせることに努め、相棒

の分まで喋り、常にカラダを張りました。 実はそれ、かなり苦労

で、「あの時 Rational Process を知ってたらなあ、、」がホンネ。

 

それに比べると、皆さんは遙かに有利ですぞ。 自分を分からせる

ツールが手に届くところにあるし、呼べば「おたすけマン」もいる。

 

<第4>があなた自身だろうが、相手だろうが、ノウ・プロブレム。

<第4>の私がお手伝いするのだから間違いありません。

 

これが今回のCM、、 でしょうね。

                        ■竹島元一■

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